昔話とは、伝統的な物語であり、子供たちに道徳や価値観を教える重要な教育ツールの一つです。世界各国にそれぞれの文化伝統に基づいた昔話が存在します、日本では「桃太郎」や「浦島太郎」「一寸法師」などが有名です。
こうした昔話は、意識する以前から遺伝子に刷り込まれていたかのように耳に馴染んでいます。確かめるように繰り返し読み聞かされてきた方も多いことでしょう。
保育士さんが昔話を読み聞かせることで、子供たちは想像力を育むだけでなく、文化や歴史についても学ぶことができます。昔話の魅力的なストーリーテリングは、子供たちの興味を引きつけ、心に残る教育の瞬間を提供します。
しかし、「昔話」と似た言葉である「民話」「童話」「伝説」「神話」とは、実際にはどう違うのでしょうか?それぞれの特徴を知ることで、子どもたちにより深い物語の世界を届けることができます。今回は、それらの違いをわかりやすく解説し、さらにおすすめの名作昔話7選もご紹介します。
昔話とは?
昔話とは、古くから伝わってきた口承による文学作品です。特定の作者がいるわけではなく、長い年月をかけて人々の間で広まり、形を変えながら伝わってきました。
昔話の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 時代や場所が特定されていないケースが多い(むかしあるところに~で始まったりする)
- 教訓や人生の知恵が含まれている。
- 繰り返しの表現が多い(むかしむかし~など)
動物の物語や教訓的なストーリー、不思議な力を持つ登場人物が出てくるものなど、さまざまな種類があり、絵本や教材として読み聞かせに用いられることもしばしばです。
昔話が伝わってきた理由
昔話は、口伝えで伝承される文化的遺産であり、世代を超えて受け継がれてきました。そのもっとも顕著と思われる理由は教材としての役割です。
昔話は子どもたちに手軽に重要な教訓を伝えられると共に、、地域の歴史や風俗を反映した物語が多いため、民族的な価値観の継承に役立ちます。さらにコミュニティの絆を深める役割も果たし、家族や友人と共に語り合うことで、社会的なつながりも強化できるでしょう。
昔話は単なる娯楽の枠を超え、文化の保存と伝承に貢献する重要な存在です。
昔話と絵本の違い・関係性
昔話とは物語としての分類であり、絵本は表現方法としての分類です。したがって、違いを比較するのはあまり適切とはいえません。
昔話は口承で伝えられてきた伝統的な物語であり、文化や地域ごとの価値観や教訓を含んでいます。長い歴史を持ち、多くの場合、特定の作者は存在せず、時代を超えて形を変えてきました。
一方で絵本は、どちらかといえば近代から現代の文学作品です。文字とイラストを組み合わせて物語を伝える形態を取ります。特定の作者やイラストレーターによって制作されることが多く、教育や娯楽の目的で作られます。
昔話と絵本は切っても切れない関係にあり、昔話を元に制作される絵本作品が少なくありません。絵本は、昔話の魅力を絵によって伝えやすくすると共に、子供たちに親しみやすい形で提供する手段となります。
絵本は、昔話の伝統を現代に伝える表現方法の一つといえるでしょう。
昔話と民話・伝説・神話・童話との違い
昔話と似て非なるものに民話や伝説・神話があります。また、童話との線引きも難しいところです。ここでは、それぞれについて解説します。
民話とは
民話は、昔話と同じように口伝えで広まった物語です。そして、場合によっては昔話とまったく同じ意味合いで用いられたり、どちらかがどちらかに含まれたりします。たとえば「鶴女房」という昔話は新潟県や岩手県を始め、全国各地でて地域性豊かに語り継がれた「民話」としてカテゴライズされることもあります。「鶴女房」は知らなくても、同じ内容で「鶴の恩返し」「夕鶴」というタイトルならご存知の方は多いでしょう。
一般的に民話と呼ばれる物語は地域性が強く、その土地の文化や風習が色濃く反映されているのが特徴です。
特定の地方にしか伝わらない物語や、地元の風景や祭りに関連する話などが該当します。
伝説とは
伝説は、実際にあった出来事や人物を基にした物語です。昔話や民話との違いは、ある程度の史実性が含まれている点です。
ただし、時の権力者の思惑がはたらくため、必ずしも事実に則っているとは限りません。さらに、時を経て語り継がれる過程で脚色されることもあります。たとえば「義経伝説」や「天狗伝説」などは諸説さまざまであり、地域によっても内容が異なります。
神話
神話は、神々や超自然的な存在について語られる物語です。世界の創造や自然現象、人間の起源などを説明する内容が多く、宗教や信仰と深く結びついています。国や宗教観によってさまざまな神話があり、ギリシャ神話やローマ神話などが有名です。日本には古事記・日本書紀という素晴らしい神話があります。
童話とは
童話は、子ども向けに書かれた物語で、主に文学作品として書き残されたものです。昔話と異なり、アンデルセンやグリム兄弟など特定の作者がいることが特徴です。
どちらかといえば教育的な要素が強く、子どもの心を豊かにすることを目的としています。
絵本で読み聞かせたい日本の名作むかし話7選
ここからは、保育士さんやお母さんたちにおすすめしたい名作昔話をご紹介します。
- 桃太郎
- 浦島太郎
- かぐや姫(竹取物語)
- 一寸法師
- 鶴の恩返し(夕鶴)
- 花咲か爺さん
- 舌切り雀
どれも名の知れた日本文化の根源ともいえる名作昔話です。お子様への読み聞かせにもピッタリです。また、大人になって裏読みすると、隠された歴史の真実が浮かび上がってきたりします。語り継がれてきた名作には、語り継がれるだけの理由がある何よりの証拠です。
代表的な日本の昔話を紹介します。
桃太郎(ももたろう)
「むかしむかし、おじいさんとおばあさんが…」というおなじみのフレーズで始まる日本の代表的な昔話です。桃から生まれた桃太郎が仲間たちと鬼退治に挑む冒険物語で、勇気や仲間との協力の大切さを教えてくれます。
下記は「桃太郎」についての多彩な絵本と深堀裏話満載の記事です。ぜひご参照ください。
【㊙桃太郎】読み聞かせにおすすめの桃太郎絵本7選と大人のための裏話
浦島太郎(うらしまたろう)
亀を助けた浦島太郎が竜宮城へ招待される物語です。美しい竜宮城での生活と、その後の不思議な展開は子どもたちを引き込むこと間違いないでしょう。時間の流れについて考えるきっかけにもなります。
かぐや姫(竹取物語)
竹から生まれた美しい少女・かぐや姫の物語です。求婚者たちへの難題や月への帰還など、不思議な要素がたくさん詰まっています。日本最古の物語文学であり、世界に誇るファンタジー小説です。
以下の記事もご参照ください。
一寸法師(いっすんぼうし)
小さな体で大きな夢を持つ一寸法師の冒険譚です。子どもたちに「大きさではなく心の強さが大切」というメッセージを伝えることができます。
鶴の恩返し(夕鶴)
助けられた鶴が人間に恩返しをする切ない物語です。「人を助けることの尊さ」や「秘密を守ること」の重要性について考えさせられる内容です。
花咲か爺さん(はなさかじいさん)
正直者のおじいさんと欲深いおじいさんの対比を描いた物語です。「正直であること」の大切さを教えるだけでなく、美しい桜が咲くシーンは子どもたちにも印象的です。
舌切り雀(したきりすずめ)
優しいおばあさんと欲深いおばあさん、それぞれに訪れる結果を描いた教訓的なお話です。欲張りすぎることへの戒めとして、多くの親子に親しまれています。
昔話は心の栄養
昔話はただ楽しいだけでなく、子どもたちに大切な教訓や価値観を伝える役割も果たしています。昔から伝えられてきた物語を聞くことで、子どもたちは地域や国の文化的背景を学ぶことができます。また、物語の中での主人公の善悪の判断は、人間関係や倫理について考えるきっかけともなるでしょう。
また、大人と呼ばれる私たちも昔話によって歴史観が確立され、未来を生きる想像力と創造性が育まれてきたのではないでしょうか?
昔話は大人と子ども、子々孫々までの感情的なつながりをサポートし、血縁を超えた民族の深い関係を育みます。大人にとっても懐かしい気持ちになれる素敵な時間となるでしょう。ぜひ今回ご紹介した名作を活用して、お子さんとの読み聞かせタイムを楽しんでみてください。
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